注文住宅を建てるということは、家や土地を購入するということですが、名義は誰にするのがいいのでしょうか?
この記事では、夫婦共有名義のメリット・デメリットについてまとめています。
共有名義とは
家や土地を購入する際は、名義を誰にするか決める必要があります。
名義とは、簡単に言うと「購入した土地や家の登記簿上の持ち主は誰か」ということです。
- 夫など誰か1人の名前で登記する場合は「単独名義」
- 夫婦や親子など複数で登記する場合は「共有名義」
一般的には
- 夫が住宅ローンを組み、妻は頭金の一部を負担する
- 夫婦それぞれの名義で住宅ローンを組む
など夫婦お互いの収入やお金を出した割合に基づいて、持ち分の割合を決めて登記します。
なお、名義を誰にするかによって、その後支払う税金にも差額が生じます。
共有名義5つのメリット
贈与税かからない
夫婦の共有名義にすると、出した資金の割合に応じて所有権を持つことになるので、贈与にはなりません。
したがって贈与税もかかりません。
ただし注意しなければならないのは、たとえば妻が2割しかお金を出していないのに、5割の持ち分で登記してしまうと、その差額が妻への贈与とみなされて、贈与税がかかってしまう可能性があることです(※)。
(※)贈与税は原則として、年110万円を超える金額に対してかかるので、差額が110万円以下なら課税はされません。
夫婦両方が住宅ローン控除を受けられる
夫婦それぞれの名義で住宅ローンを組むことになるので、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられます。
借入額が増やせる
夫1人の収入では希望する借り入れ額に届かない場合、妻の収入を合算することで、借り入れ額を増やすこともできます。
売却時の控除を夫婦両方が受けられる
将来、家を売却し、控除所得が生じた場合、6,000万円まで非課税になります。
相続税の負担が軽減される
夫婦の共有名義にすることによって、財産の持ち分を分散できるので、夫か妻のどちらかが亡くなった時に生じる相続税の額によっては、負担を軽減することができます。
共有名義3つのデメリット
離婚する場合、トラブルのもとになる
住宅ローンがまだ残っている状態で離婚する場合、離婚時の財産分配が複雑になります。
また売却には夫婦2人の同意が必要になるので、売却完了までに時間がかかることが多いです。
配偶者のどちらかが亡くなってもローンが残る
夫婦どちらかの名義の家の場合、ローン名義人が亡くなれば、団体信用生命保険が採用され、残債はなくなります。
しかし夫婦別々の2本立てでローンを組んだ場合、自分の分のローンは残ることになります。
ただし夫婦で加入する団体信用生命保険で、どちらか一方が死亡した場合、残りのローン返済の義務が残らない商品もあります(特約料は1人加入の場合の約1.5倍になります)。
退職などでローン返済計画が狂いやすい
妻が出産などで退職した場合、登録内容の変更など、手続きが生じます。
メリット・デメリットを理解した上で、最適な選択をご夫婦でなさってください。