想像してみてください。
もしも家に屋上があったら、どんなことがしたいですか?
「屋上で家族や友達とバーベキューをしたい」
「屋上に設置したデッキチェアーで星を眺めながら夫婦でお酒を飲みたい」
「子供と一緒に家庭菜園を楽しみたい」
趣味を楽しんだり、子供と遊んだりと、屋上がもつ可能性は幅広く、憧れを抱いている方は多いですよね。
しかしその一方で、屋上設置に関するデメリットは意外と見落とされがちです。
そこでこの記事では、屋上がある家のメリットとデメリットを紹介していきます。
屋上のある家のデメリットとリスク
1)雨漏りのリスク
家づくりにおいて、屋上を設置した場合の最大のデメリットは、雨漏りのリスクがグンと高くなることです。
多くの場合、保証も10年程度。
保証期間を過ぎてしまうと、補修は全て実費でまかなわなければなりません。
水が溜まった屋上の水はけをするために樋は設けられますが、完全に溜まった水をはけることはできません。
また楽しむために広い屋上を…となると、その分だけ設置費用もかさみ、雨漏りのリスクも高くなります。
2)木造住宅には不向き
特に木造住宅を検討されている場合、屋上設置はやめたほうがいいです。
まず木造住宅はその構造上、屋上の設置には向いていないからです。
また屋上を設置できたとしても、徐々に雨や雪で木材(柱や梁)が腐食し、最終的には安心して暮らせなくなり、全面改修など泣きをみることになるからです。
3)ご近所トラブルのもとに
屋上で家族や友人とわいわいバーベキューやビアガーデンなどができたら楽しいですよね。
しかし実際に屋上で飲食やパーティーをする場合、ニオイや話し声などにより、ご近所に迷惑がかかる可能性があります。
せっかく楽しい時間を過ごしても、ご近所トラブルが発生しては意味がありません。
お隣が洗濯物を欲している時間帯はバーベキューはしない、夜は遅くても9時までにパーティーはお開きにするなどの配慮が必要です。
4)防水性や断熱性が失われる
屋上を設置するということは、通常の屋根の機能を失うことにります。
屋根には主に3つの機能があります。
- 防水性(雨風をしのぐ)
- 断熱性(日差しを遮る)
- 通気性(室内の熱を放出する)
防水性に関しては、冒頭で雨漏りのリスクが高まることについて触れましたが、その他、屋根がない分、太陽の熱が直接伝わるようになるため、断熱性も弱まり、夏は室内が熱くなりやすいです。
5)維持管理費用がかかる
雨が降った時に樋が詰まっていると、屋上に水が溜まってしまいます。
万が一プール状態になってしまうと、その分だけ建物の劣化を早めてしまうので、樋は特に念入りな掃除が必要となります。
チリや埃、風によって運ばれてくる枯れ葉などによって詰まらないよう、常に掃除が必要です。
また雨漏りのリスクを軽減するためにも、屋上のある家は定期的な防水処理が必要となります。
なお防水処理は防水工事の専門業者が存在するほど技術を要するものです。
丁寧な仕事をしてもらえなければ、そこから雨漏りし、家そのものが傷んでしまう原因になります。
さらに手すりなども随時チェックが必要です。
万が一間違ってこれらの部材が隣家の庭や道路に落ちてしまえば、大きな事故に繋がってしまうからです。
直接日光を浴び、風雨の影響が強く現れる屋上は思いのほか傷みが早く、入念な手入れが必要となります。
屋上のある家のメリットと楽しみ方
ここまで屋上のある家をつくることのデメリットばかりを述べてきましたが、以下ではメリットを紹介していきます。
1)遊び方・楽しみ方がたくさん
屋上での楽しみ方はたくさんあります。
屋上プール
たとえば小さなお子さんがいる場合、屋上でプール遊びをさせることができます。
水着姿に自信がないお父さん・お母さんだって、プライベート空間である屋上では、人の目を気にする必要がありません。
青空や星空
青空や星空の下でお昼寝をしたり、飲食したりと、あなただけのリラックス空間を手に入れることもできます。
屋上ガーデニング
都心で狭小の土地に家を建てる方にとっては、屋上を庭がわりに、空中ガーデニングを楽しめます。
季節の花々を愛でるのもいいですし、家庭菜園によって新鮮な野菜を味わったり、季節の野菜を育てることで、お子さんの食育にも役立ちます。
屋上キャンプ
屋上にテントさえ準備できれば、気分はアウトドアの屋上キャンプを楽しめます。
いつもの食事も、屋上で食べるだけで、一味も二味も変わってくるでしょう。
露天風呂
あるいは思い切って、ラグジュアリーなバスルームを設置するのはいかがでしょう。
まるで自分専用の露天風呂のような空間を作ることができます。
お天気の良い夜なら、星空を見ながら入浴できるという贅沢を手に入れることができます。
2)洗濯物や布団が干しやすい
小さいお子さんが泥遊びなどで汚し盛りのときには、1日たりとも洗濯が欠かせません。
お子さんが中学生や高校生に成長したら、部活動のユニフォームの洗濯も待っています。
屋上ならば、お天気の良い日に気持ちよく干し物ができます。
太陽の光は洗濯物をスピーディーに乾かしてくれるだけでなく、殺菌・消毒もしてくれます。
3)お子さんやペットの安全な遊び場に
道路に面した敷地に家を建てるとき、子供の外の遊び場(庭)の確保に苦慮することがあります。
遊びに夢中になるあまり、たとえば転がったボールを追って門を出てしまい、車と接触しないだろうか、といった心配もあります。
その点、屋上であれば、外に飛び出す心配がないので、安心して子供を遊ばせておくことができます。
また犬を飼っているご家庭なら、屋上にドッグランを作ることもできます。