注文住宅を建てたり、新築住宅や中古住宅を購入したりするなら、「すまい給付金」は最大50万円が給付される制度なので、利用しないのはもったいないです。
すまい給付金とは
すまい給付金とは、消費税率引き上げによる住宅購入者の負担を緩和するために創設された制度で、国から現金が最大50万円給付されます。
住宅ローン控除(減税)は、支払っている所得税等から控除される仕組みなので、収入が低いほど、住宅ローン控除の効果は小さくなります。
そこで、すまい給付金では、住宅ローン控除の効果が十分に及ばない、収入が一定以下の層に対して現金を給付することで、住宅ローン控除と併せて増税による負担の軽減を図ります。
このため収入によって給付額が変わる仕組みとなっています。
すまい給付金を受け取れるのは年収いくらまで?
収入が一定以下の層に対して現金が給付されるとお伝えしましたが、すまい給付金の対象となるのは、住宅購入者の年収が775万円以下(目安)の場合です。
すまい給付金の金額はいくら?
すまい給付金は、収入に基づく「給付基礎額」に、不動産登記上の「持分割合」を乗じた額が給付されます。
給付額=給付基礎額(都道府県民税の所得割額)×持分割合(不動産登記上)
給付額の計算時に使われる収入については、給与所得者のいわゆる「額面収入」ではなく、「都道府県民税の所得割額」に基づき決定します。
公式サイトには、もらえる給付金額が計算できるシミュレーションページもありますが、以下が目安となります。
年収の目安 | 給付額の目安 |
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450万円以下 | 最大50万円 |
450万円超〜525万円以下 | 最大40万円 |
525万円超〜600万円以下 | 最大30万円 |
600万円超〜675万円以下 | 最大20万円 |
675万円超〜775万円以下 | 最大10万円 |
すまい給付金はいつまで?実施期限は?
すまい給付金は、消費税率引き上げによる負担軽減のために創設された「期間限定」の制度です。
2021年12月末までに引渡され、入居が完了しないと給付金は貰えません。
入居期限が延長されることになりました(2021年1月)。
期限 | [契約] 2020年10月〜2021年 9月末まで *注文住宅 2020年10月〜2021年11月末まで *分譲住宅・既存住宅 [入居] 2022年12月末まで |
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*上記契約時期以外の場合、入居期限は2021年12月末となります。
すまい給付金を受け取る条件(新築住宅の場合)
給付金の対象者
- 住宅の所有者:不動産登記上の持分保有者
- 住宅の居住者:住民票において、取得した住宅への居住が確認できる者
- 収入が一定以下の者:収入額の目安が775万円以下の者(消費税率10%時)
住宅ローンを利用しない場合のみ、年齢が50才以上かつ収入額の目安が650万円以下(都道府県民税の所得割額が13.30万円以下)の方も対象者となります。
住宅の条件(新築住宅の場合)
住宅ローンの利用がある場合
- 床面積が50㎡以上
- 施行中に検査を受け、一定の品質が確認されていること
床面積は、「登記簿」に表示されている床面積により判断され、販売資料や売買契約書に記されている床面積とは異なります。
算出方法の違いによるものですが、総じて登記簿に記載される床面積の方が小さくなりがちです。
心配な場合には、登記簿に記載されている床面積を事前確認すると安心です。
施行中に第三者の現場検査を受け、一定の品質が確認される家とは、以下1~3のいずれかに該当する家を指します。
- 住宅瑕疵担保責任保険(建設業許可を有さないものが加入する住宅瑕疵担保責任任意保険を含む)へ加入した住宅
- 建設住宅性能表示を利用する住宅
- 住宅瑕疵担保責任保険法人により保険と同等の検査が実施された住宅
いずれの検査も、原則として施工中に検査を行うものであるため、着工前に申し込みが必要となります。
住宅ローンの利用がない場合
- 床面積が50㎡以上
- 施行中に検査を受け、一定の品質が確認されていること
- フラット35Sと同等の基準を満たしていること
住宅ローンを利用せず、現金のみで住宅を取得した場合、(独)住宅金融支援機構のフラット35Sと同等の基準を満たす住宅という条件が追加されます。
そのため、耐震性、省エネ性、バリアフリー性、耐久性、という4つのうちいずれかの基準を満たしている必要があります。
すまい給付金は中古住宅の購入でも利用できるの?
すまい給付金は、中古住宅の購入でも、条件を満たしていれば給付金を受け取ることができます。
一番重要な条件は、「売主が宅地建物取引業者」である中古住宅(中古再販住宅)ということです。
すまい給付金は税負担を軽減するための制度ですが、売主が個人の場合は消費税が課税されません。
このため、給付対象は消費税の課税対象となる中古再販住宅だけとなります。
すまい給付金を受け取る条件(中古住宅の場合)
給付金の対象者
給付金の対象者は新築住宅の場合と同様です。
- 住宅の所有者:不動産登記上の持分保有者
- 住宅の居住者:住民票において、取得した住宅への居住が確認できる者
- 収入が一定以下の者:[消費税率10%時]収入額の目安が775万円以下の者
住宅ローンを利用しない場合のみ、年齢が50才以上かつ収入額の目安が650万円以下(都道府県民税の所得割額が13.30万円以下)の方も対象者となります。
住宅の条件(中古住宅の場合)
中古住宅の場合、住宅ローン利用の有無により住宅の条件は変わりません。
- 床面積が50㎡以上
- 売買時に検査を受け、一定の品質が確認されていること
売買時に第三者の現場検査を受け、一定の品質が確認される家とは、以下1~3のいずれかに該当する家を指します。
- 既存住宅売買瑕疵保険へ加入した住宅
- 既存住宅性能表示制度を利用した住宅(耐震等級1以上のものに限る)
- 建設後10年以内であって、住宅瑕疵担保責任保険(人の居住の用に供したことのない住宅を目的とする住宅瑕疵担保責任任意保険を含む)に加入している住宅または建設住宅性能表示を利用している住宅
すまい給付金の申請方法
すまい給付金は
- 住宅を取得&不動産登記上の持分を保有し
- その住宅に自分で居住する
方が申請者となります。
申請は取得した住宅へ入居後に可能となり、住宅取得者(持分保有者)がそれぞれ行います。
たとえば1つの住宅に居住する不動産登記上の持分保有者が複数名いる場合は、それぞれが申請します。
申請期限は、住宅の引渡しを受けてから1年以内です。
「給付申請書」を作成、「確認書類」を添付して、すまい給付金申請窓口への持参、またはすまい給付金事務局への郵送により申請できます(住宅事業者等の手続き代行も可能)。
申請書類に不備等がない場合、申請書類の提出から約2カ月程度で指定の口座に給付金が振り込まれます。
すまい給付金の給付申請書
すまい給付金の給付申請書は
- 取得住宅の種類:「新築住宅」or「中古住宅」
- 給付金の受け取り方法:「申請者本人が給付金を受領」or「事業者が代理で給付金を受領」
- 住宅ローン利用の有無:「住宅ローンの利用あり」or「住宅ローンの利用なし(現金取得)」
により、それぞれ異なります(合計8種類)。
すまい給付金の公式サイトより申請書はダウンロードできるので、給付金の受領方法や資金調達方法に応じた給付申請書を選択してください。
すまい給付金の申請時に必要な確認書類
以下では「住宅ローンを利用して」住宅取得した場合の申請時に必要な確認書類をまとめておきます。
住宅ローンを利用して新築住宅を取得した場合 | |
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書類名 | 入手先 |
住民票の写し【原本】※入居後のもの | 市区町村(引越し後) |
不動産登記における建物の登記事項証明書・謄本【原本】 | 法務局 |
個人住民税の課税証明書(非課税証明書)【原本】 | 市区町村(引越し前) |
工事請負契約書または不動産売買契約書【コピー】 | – |
住宅ローンの金銭消費貸借契約書【コピー】 | – |
振込先口座が確認できる書類(通帳等)【コピー】 | – |
施工中等の検査実施が確認できる書類( (i)~(iii)のいずれか) | |
(ⅰ)住宅瑕疵担保責任保険の付保証明書【コピー】 | 請負人または売主から引渡し時に交付 |
(ⅱ)建設住宅性能評価書 【コピー】 | 登録住宅性能評価機関 |
(ⅲ)住宅瑕疵担保責任保険法人検査実施確認書【原本】 | 住宅瑕疵担保責任保険法人 |
住宅ローンを利用して中古住宅を取得した場合 | |
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書類名 | 入手先 |
住民票の写し【原本】※入居後のもの | 市区町村(引越し後) |
不動産登記における建物の登記事項証明書・謄本【原本】 | 法務局 |
個人住民税の課税証明書(非課税証明書)【原本】 | 市区町村(引越し前) |
不動産売買契約書【コピー】 | – |
中古住宅販売証明書【原本】 | 売主が作成 |
住宅ローンの金銭消費貸借契約書【コピー】 | |
振込先口座が確認できる書類(通帳等)【コピー】 | – |
売買時等の検査実施が確認できる書類((ⅰ)から(ⅳ)のいずれか) | |
(ⅰ)既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書【コピー】 | 引渡し時に売主から交付 |
(ⅱ)既存住宅性能評価書(耐震等級1以上のものに限る)【コピー】 | 登録住宅性能評価機関 |
(ⅲ)住宅瑕疵担保責任保険の付保証明書【コピー】 | 売主 |
(ⅳ)建設住宅性能評価書【コピー】 | 売主 |
詳細は、すまい給付金公式サイトにてご確認ください。